あくむ病院

メンヘラ絵描きVTuber準備中の鈴子らんと主治医(中の人)のりゃんのブログです。イラスト・漫画などの創作から日常まで。 ※微グロ・ダーク表現注意。

公園 ~冬~

夢現のサイドストーリー

りゃんちゃんとひなみの掌編小説です。

 

#夢現 #作品 #小説. #りゃんちゃん #ひなみ


 薄ら寒い公園の中に立っていた、風が吹いて茂みが揺れるのをぼんやりと眺めながら。そうやって立っていれば、いつか過ごした時間が戻ってくるわけでもなかった。

 ひなみは私のかたわらで、地面に棒で無意味な線を書きなぐっている。私は遊具の方へ視線を投げていた。

「ここ…似てるんだね。あの公園と。」

 ここは、ひなみがりょうのマンションを出た後、わずかばかりの時間一人暮らしをしていたアパートの前にある公園だ。ひなみはここで「ずっと以前にりょうと会ったことがある。」と言っていた。けれどそれはひなみの記憶違いだ。私はひなみが言うところの「ずっと以前」の光景を見ていたから知っている。場所も人も違う。

「可哀相なひなみ。」

 寒風の中に言葉を混ぜた。それが聞こえたのか聞こえなかったのか、ひなみが顔をあげてにこりと笑った時、私はどうしようもない感情に襲われた。

 ひなみの態度には気づかなかったふりをして、吹きすさぶ風の間を歩き出す。どんよりと濁った( おり )のようなものが胸につかえている。

 ふとアパートを見上げた時、そこにいるはずのないりょうの姿が見えた。

「りょう…!」

 ベランダからりょうが手を振っているのが見える。おそらく後ろのひなみに対してだろう。それを見た途端、何とも言えず熱い感情がこみ上げてきて、下を向いた。

 過ぎ去った長い長い時間のことを考えた。私は私を許していただろうか?